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Scientific Linux に関する FAQ

このページにない RHELクローン特有の FAQ については、WBEL、CentOSのFAQへ。

  • Scientific Linux に関するFAQ。
    • Scientific Linux とは何ですか。
    • プロジェクト公式サイト
    • 各リリース比較一覧
    • このディストリビューションの特徴は何ですか
    • インストールの手順を教えてください
    • DVDのisoイメージが欲しい (DVD iso images)
    • ダウンロード/ミラーサイト (Downloading/Mirrors)
    • Scientific Linux のライブCDはありますか?
    • なぜ商用のエンタープライズ版をもとにしてビルドされたのですか?
    • このディストリビューションがある日突然消えて無くなるという心配はありません か?
    • CERN と関係があるそうですが。
    • SL3 と CEL3、RHEL3 これらは一体どういう位置付けなのですか?
    • なぜアップデートの提供に2、3日を要するのですか
    • 最新版がリリースされたら、必ず乗り換えることになりますか?
    • 各リリース版のセキュリティサポートはいつまで継続される予定ですか。
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Scientific Linux とは何ですか。

フェルミ国立加速器研究所(Fermi National Accelerator Laboratory)と欧州原子核共同研究所(CERN)の両素粒子物理学研究所が Linuxクラスターを構築する必要に迫られて開発した Linux ディストリビューションです。White Box Enterprise Linux 同様、大手ベンダーがリリースした Enterprise 向け Linux ディストリビューションより、同社の商標に関する部分を削除し、ソースコードから再コンパイルした無償のディストリビューションです。

リリース版が公開されて以来、世界各地の研究機関や大学施設で利用されてきました。バージョン3.0.1の公開に当たって、名称が Fermi Linux から Scientific Linux へと変更されましたが、Fermi Linux よりも以前には HEPL (High Energy Physics Linux) という名称が付けられていました。

このディストリビューションは、一般ユーザーに無償で公開されています。

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プロジェクト公式サイト

  • Scientific Linux (SL) http://www.scientificlinux.org
    • 旧 Fermiサイト http://www-oss.fnal.gov/projects/fermilinux/
    • SL 関連サイト- フェルミ国立加速器研究所 (Fermilab, the National Accelerator Laboratory)
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各リリース比較一覧

Scientific Linux (SL) の 2020.12.20 現在の最新リリースは、SL 7.9 と SL 8.3 です。下記 SL 4.3 と SL 3.0.7 は終了しましたが参考として掲載しています。

項目 SL 3.5 SL 4.1 SL 4.2
リリース年月日 2005/07/25 2005/08/06 2005/11/22
サポートCPU X86(Pentium以上)/X86_64(AMD64 /EM64T) X86(Pentium以上)/X86_64(AMD64/EM64T)
標準の Linux カーネル kernel 2.4.21 kernel 2.6.9.11 kernel 2.6.9.22
インストールに必要なCDメディア 3枚 4枚
自動アップデートツール APT / YUM
標準の GUI アップデートツール Synaptic / Yumi Synaptic Synaptic / YumEX
GNOME 環境 GNOME 2.4 GNOME 2.8 GNOME 2.8
標準の日本語入力環境 Kinput2 + Canna
英語から日本語入力への切替 Shift + Space / Ctrl + Space
Mozilla ウェブブラウザ Mozilla 1.7.10 Mozilla 1.7.10 Mozilla 1.7.8
Firefox ウェブブラウザ なし Firefox 1.0.6 Firefox 1.0.7
Evolution メーラー Evolution 1.4.5 Evolution 1.4.6 Evolution 2.0.2
OpenOffice.org オフィススイート OOo 1.1.0 OOo 1.1.1 OOo 1.1.2
GIMP 画像処理 GIMP 1.2.3 GIMP 2.0.5 GIMP 2.0.5
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このディストリビューションの特徴は何ですか

Scientific Linux には、モデルとなった Enterprise 向け Linux ディストリビューションに含まれない独自のパッケージが追加されているので、これが特徴といえるでしょう。

パッケージ名 パッケージの簡単な説明
anacron A cron-like program that can run jobs lost during downtime.
cdda2wav : A utility for sampling/copying .wav files from digital audio CDs.
gv A X front-end for the Ghostscript PostScript?(TM) interpreter.
icewm Fast and small X11 window manager
jpilot Jpilot palm pilot desktop software
ksh93 ncurses4 A backwards compatible version of ncurses.
openafs openafs-client openafs-compat openafs-devel openafs-firstboot openafs-kernel-source openafs-kpasswd openafs-krb5 openafs-server OpenAFS distributed filesystem
pcp System-level performance monitoring and performance management.
pine Commonly used, MIME compliant mail and news reader
readline41 A library for editing typed in command lines.
sndconfig The Red Hat Linux configuration tool for legacy sound cards.
xcdroast An X Window System based tool for creating CDs.
xmms-mp3 MP3 plugin for XMMS.
yum yum-conf RPM installer/updater
  • 詳しくは Packages that were added to Scientific Linux を参照してください。
  • ユーザーは、オプションとして Tweak RPM's を追加することが可能です。
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インストールの手順を教えてください

SL 7 のインストールは Scientific 7 のインストールに関する項目を見てください。
SL 4 の標準的なグラフィカルなインストールは、 Scientific Linux のインストール手順(日本語)に従って行えます。

ダウンロードした ISOイメージからインストール用CD作成してインストールする以外に、直接ネットワーク(FTP)インストールすることも可能です。

  • SL 4.x (i386) のインストールに必要なハードディスク容量 - SL 4.x Installation Size
    インストールするタイプ 必要とするハードディスクの容量
    パーソナル・デスクトップ 2,500 MB
    ワークステーション 3,100 MB
    サーバー 960 MB
    すべてインストール 6,300 MB
  • 公 式インストール・ガイド - SL 4.x Installation Steps
  • Scientific Linuxのインストールのヒント
  • Making Install Floppies and/or CD's
  • White Box Linux のインストールの手順 も参照のこと。
  • リリースノート SL 4.0
    • RELEASE-NOTES.html on Issues and Limitations April 20, 2005
    • SL.releasenote 4.0 for i386/x86 April 20, 2005
  • リリースノート SL 3.0.5
    • Scientific Linux Release 3.0.5 for i386 July 25, 2005
  • リリースノート SL 3.0.4
    • Scientific Linux (SL) Release 3.0.4 i386 February 11, 2005
    • Scientific Linux Release 3.0.4 for x86_64 February 11, 2005
  • リリースノート SL 3.0.3
    • Scientific Linux (SL) Release 3.0.3 for i386 リリースノート
    • Scientific Linux (SL) Release 303 for x86_64 リリースノート

なお、 file:///mnt/cdrom/RELEASE-NOTES.html ディレクトリーにあるマニュアルは、インストール時に役立ちますので、参照してください。

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DVDのisoイメージが欲しい (DVD iso images)

iso のディレクトリーには CDの isoイメージしかありませんが、CD の isoイメージを全部 binary ftp でコピーした後、以下のスクリプトを実行すると DVD の isoイメージが作成されます。
/scientific/303/iso/i386/make.dvdiso.sh
このDVD isoを作るスクリプトは例えば以下にあります。
ftp://ftp.riken.go.jp/Linux/scientific/303/iso/i386/make.dvdiso.sh

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ダウンロード/ミラーサイト (Downloading/Mirrors)

  • ミラーサイト一覧 (All Sources)
    https://www.scientificlinux.org/download/
  • 日本国内ミラーサイト (Japanese Mirrors)
    • RIKEN (Saitama, Japan) 日に2度(Twice Daily) 更新されます。
      FTP: ftp://ftp.riken.jp/Linux/scientific/
      HTTP: http://ftp.riken.jp/Linux/scientific/
      RSYNC: rsync://ftp.riken.jp/scientificlinux/
  • KDDI R&D Labs INC (Japan)
    FTP: ftp://ftp.ne.jp/Linux/distributions/scientificlinux/
    HTTP: http://ftp.ne.jp/Linux/distributions/scientificlinux/
    RSYNC: rsync://ftp.ne.jp/Linux/distributions/scientificlinux/
  • Yamagata University (Yamagata, Japan)
    FTP: ftp://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/linux/scientific/
    HTTP: http://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/linux/scientific/
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Scientific Linux のライブCDはありますか?

はい。ライブCDは、現在公式なリリースに含まれています。

Scientific Linux Live CD and DVD
Scientific Linux Live System

  • LiveCD: fits on a normal CD-ROM (ISO image: livecd)
  • LiveCD64: CD-ROM for 64bit (ISO image: livecd64)
  • LiveDVD: only fits on a DVD (ISO image: livedvd)
  • LiveDVD64 for 64bit (ISO image: livedvd64)
  • Mini LiveCD: rescue system, fits on a mini CD-ROM (185MB)

このライブCDは、Paul Scherrer Institute で開発され無償配布されています。
2006.05.21 現在、このライブCDは公式リリースとして取り込まれました。2020.12.20 現在、最新バージョンは Scientific Linux Live CD 7.9 です。

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なぜ商用のエンタープライズ版をもとにしてビルドされたのですか?

これは、フェルミ国立加速器研究所の事情が関わっています。Scientific Linux を作ることが計画された当時、いろいろと議論が起こりました。その中で最も重要とされたのは、最低3年間はサポートを行うこと、インストールやセキュリ ティ更新が容易なことでした。 -- ( 原文参照:https://www.scientificlinux.org/documentation/faq/general1 )

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このディストリビューションがある日突然消えて無くなるという心配はありませんか?

Scientific Linux の開発に携わっている主な研究者は、以前から Fermi Linux の開発を行ってきました。Fermi Linux の経緯を見れば、その数年(少なくとも6年間)間に及ぶ成果を知ることができます。現在のところ、Fermi Linux は Scientific Linux を基盤にして開発されてきたので、開発者は Scientific Linux が消えて無くなるようなことにはさせないでしょう。この点については、現在だけでなく将来も同じことです。ただしこれはあくまで計画ですから、それを保証 することは不可能です。たとえば、元のエンタープライズ・ベンダーからソース RPM の提供を受けることができなくなった場合です。それ以外の事情も影響するかもしれません。 -- ( 原文参照:https://www.scientificlinux.org/documentation/faq/general1 )

なお、同様なプロジェクトとして CentOS が存在します。Fedora Project には、その公式な一派生プロジェクトである Fedora Extra に Fedora Extras Steering Committee として CentOS の有力なメンバーが参加している関係から、このディストリビューションの今後についても、突然元のエンタープライズ・ベンダーからソース RPM の提供を受けることができなくなるような事態が発声するとは考えにくいと思われます。

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CERN と関係があるそうですが。

はい、あります。Scientific Linux は、"Conseil Europ醇Pen pour la Recherche Nucl醇Paire" (CERN) と Fermi の共同開発によってもたらされたという経緯があります。 ScientificLinux-FAQ/Resources には、 CERN に関する項目があります。

CERN のウェブサイトにも、Scientific Linux CERN 3 (SLC3) に関する情報が掲載されているので、参照してください。

  • CERN Linux pages
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SL3 と CEL3、RHEL3 これらは一体どういう位置付けなのですか?

これら3つの Linuxディストリビューションは非常に密接な関係にありますが、判りやすく説明すれば、このイラスト のようになるようです。

詳しくは CEL3 and Scientific Linux の説明を読んでください。

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なぜアップデートの提供に2、3日を要するのですか

簡単に言えば、これはアップデートパッチの検証を行う必要があるためとされています。パッチの不具合はシステムの破壊につながる可能性があるため、 慎重を期しているものと思われます。ただし、緊急性を要するものに関しては直ちにリリースされることもあります。

なお、アップデータ(Errata)は必ず継続的に提供することとされています。詳しくは、アップデートに関するポリシーが載っている ページ を見てください。

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最新版がリリースされたら、必ず乗り換えることになりますか?

いいえ。
Fermi の LTS(Long Term Support)ポリシーに従い、以前のバージョン 3.0.1 / 3.0.2 / 3.0.3 のアップデートサポートは、引き続き提供されることになります。最新版にアップグレードするか否かは、ユーザーの自由です。

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各リリース版のセキュリティサポートはいつまで継続される予定ですか。

2020.12.20 現在サポートされているリリース版は Scientific Linux 7 です。サポート・ポリシーによれば、リリースの最新マイナーバージョンで保守することを推めています。

参照: We will continue to publish security packages for older releases for the lifecycle of the major version. So, if you are SL 7.3 you will continue to receive security updates in the ‘security’ repo for the life cycle of SL 7. These updates are simply the newest release of the associated package. We encourage you to update to the ‘x‘ release to receive the various bugfixes available in non-security packages as well. We cannot be sure how the updated security packages will behave on an older system. Unless they are required, older releases do not receive bug fix packages.
-- https://scientificlinux.org/documentation/faq/faq-updates/#older-releases

SL 7 のサポート終了日 (End-of-life) は 2024年6月30日の予定です。アップストリームの終了日と合わせているだけで、実際の終了日は前後するかも知れません。


なお、以下の古いバージョンはすでに終了しました。

Scientific Linux の LTS (Long Term Support) は、それぞれリリースされた直後から、3年間セキュリティ・フィックスを提供する予定となっています。

  • セキュリティサポートの概要 https://www.scientificlinux.org/about/future
  • その詳細(ロードマップ)ScientificLinux-FAQ/RoadMap

なお、Scientific Linux と関係がある Scientific Linux Fermi については、以下のとおり公式ウェブブサイトに明記しています。(2005.10.21 現在)

  • Scientific Linux Fermi LTS (LongTermSupport) 3.0.x
    Fermi Linux LTS 3.0.1 was released January 26, 2004
  • Support will continue for all of the Scientific Linux Fermi LTS 3.0.x releases until October 31, 2007

  • Scientific Linux Fermi 4.x
    Scientific Linux Fermi 4.1 was released September 20, 2005
  • Support should continue until at least February 28, 2008

    October 21, 2005 - Fermi_Linux_Support_Structure.html


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